中期経営戦略(2023年3月期~2026年3月期)

KDDI VISION 2030の実現を目指し、中期経営戦略(2022-25年度)を定めています。
事業状況や環境変化を踏まえ、2024年5月に戦略をアップデートし、持続的成長への取り組みを強化しました。

図:中期経営戦略(2022-25年度)

KDDIは、事業環境が大きく変化する中、ありたい未来社会を実現するため、「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を新たに掲げました。2030年には、あらゆる産業や生活シーンで付加価値を提供できる存在、「社会を支えるプラットフォーマー」を目指します。これまでは、「通信とライフデザインの融合」により、スマートフォンを中心に非通信分野の成長領域を拡大してきました。新中期では、2030年を見据え「5Gとデータ・生成AIを中核とした通信・付加価値領域の更なる成長」を推進していきます。

新中期経営戦略(23.3期-26.3期)の位置づけ

新中期経営戦略(23.3期-26.3期)の位置づけとして、まず、長期的な視点で、社会課題とKDDIグループの経営の重要度を総合的に網羅した「新重要課題(マテリアリティ)」を策定しました。これをふまえ、サステナビリティ経営を根幹に置き、事業戦略とそれを支える経営基盤の強化を推進していきます。

中期経営戦略
新マテリアリティを定め、中期経営戦略を推進
図:中期経営戦略
  • 新重要課題(マテリアリティ)
  • 通信を核としたイノベーションの推進
  • 安心安全で豊かな社会の実現
  • カーボンニュートラルの実現
  • ガバナンス強化によるグループ経営基盤強化
  • 人財ファースト企業への変革
  • ステークホルダーのエンゲージメント向上

根幹のサステナビリティ経営について、KDDIグループは事業戦略の推進と、経営基盤の強化により、パートナーのみなさまとともに、社会の持続的成長と企業価値の向上を目指します。社会の成長が次の我々の事業戦略に活かされ、そして再び社会に還元される好循環を目指します。

サステナビリティ経営
パートナーとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す
図:サステナビリティ経営

事業戦略

通信+付加価値の戦略を強化するため、従来の戦略をアップデートし、新サテライトグロース戦略を策定しました。
「新サテライトグロース戦略」では5G通信をベースとし、データドリブンの実践と生成AIの社会実装を進めるコア事業を中心に、これと連携してKDDIの成長を牽引する事業領域「Orbit1(DX/金融/エネルギー)」と、将来の成長分野である「Orbit2(モビリティ/宇宙/ヘルスケア/Web3・メタバース/スポーツ・エンタメ)」に取り組み、さらなる事業拡大を推進します。
新サテライトグロース戦略の推進を通じ、未来に向けてより身近で多様なサービスを国内およびグローバルに提供し、社会の持続的成長につながる取り組みを行っていきます。これにより、KDDI VISION 2030に掲げる「誰もが思いを実現できる社会をつくる」ことを目指していきます。

新サテライトグロース戦略
図:新サテライトグロース戦略

Core

今後、お客さまへの価値を創出し、収入増とリテンションを図れるかが重要となります。
通信+付加価値の戦略を推進、ARPU収入のさらなる拡大を目指し、ローソンとの連携も含めた付加価値の創出と、5G本格活用に向けたネットワーク構築に注力していきます。

アイコン:5G DataDriven 生成AI
パーソナルの成長戦略
付加価値創出と接点拡大に注力。AI・データドリブンで提案強化
図:パーソナルの成長戦略

総合ARPU増加×リテンション

Orbit1・DX

DX、法人事業もパーソナル事業と同様にネットワーク・インフラ基盤をベースとした上で、IoT、データセンターなど、AI・デジタル付加価値をグロース領域として積み重ねていきます。また、中小企業層へのアプローチを強化することでIDの拡大をめざします。
加えて、AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)新規ウィンドウが開きます」を立ち上げるなど、さらに事業領域とお客さま接点を拡大していきます。社会のDX加速に不可欠なAI・データ基盤・ネットワーク運用保守をワンストップで提供することで、社会課題・業界課題の解決や法人のお客さまの事業成長を加速していきます。

アイコン:DX
法人事業の成長戦略
AI・データ活用を強化。事業領域とお客さま接点を拡大
図:法人事業の成長戦略

通信+付加価値の高利益率モデル構築

Orbit1・金融

金融事業においては強みの銀行やクレジットカード事業の会員基盤を中心に、業績は好調に推移しております。また、お客さまから支持をいただいているauじぶん銀行では、今後も預金と貸出をバランスさせながら、顧客基盤を拡大しております。
引き続き、金融の各サービスの拡充と、通信とのシナジーを最大化することで、お客さま接点の拡大とさらなる事業成長を目指していきます。

アイコン:金融
金融事業
銀行やクレカを中心とした事業基盤の拡大により、CAGR二桁成長へ

業績

銀行・クレカを中心にCAGR二桁成長

売上高

(単位:億円)

棒グラフ:売上高

営業利益

(単位:億円)

棒グラフ:営業利益

auじぶん銀行

預貸をバランスさせながら事業拡大

預金残高

(単位:兆円)

棒グラフ:預金残高

貸出残高

(単位:兆円)

棒グラフ:貸出残高

クレカ会員数950万超(注1)・銀行口座数 600万超(注1)

  1. 注1)24年4月末
  • auフィナンシャルホールディングス、IFRSベース

Orbit1・エネルギー

エネルギー事業は、事業安定化に向けた取組みを実施し、24.3期の営業利益は117億円、auでんきの契約数も増加に転じました。auでんきを軸に通信とのシナジーを最大化することで事業成長を加速していきます。
また、グループ会社を通じ、カーボンニュートラル貢献と事業成長の両立も図っていきます。

アイコン:エネルギー
エネルギー事業
auでんきによる通信とのシナジー最大化と脱炭素関連事業を拡大

通信×エネルギー

auでんきを軸に営業利益二桁成長を目指す

イメージ:通信×エネルギー

脱炭素関連事業

カーボンニュートラル貢献と成長を両立

太陽光を中心とした
再エネ発電開発を加速
脱炭素支援事業による成長

Orbit2・LX

Orbit2のLX領域においては、当社とパートナーアセットを掛け合わせ、事業のスケール化を目指します。
スペースX社とのパートナリングは5年目を迎え、連携が深化してきました。社会を支えるインフラとして、今後も提供範囲を拡大していきます。
LX領域においても、ローソンとのシナジーを発揮していきます。エンタメ分野では、電子チケットプラットフォームとローソンのエンタメサービスを掛け合わせ、取り扱いイベントの拡大や送客による価値を創出します。
加えて、KDDIのモビリティ関連サービスとローソン店舗を掛け合わせ、地域の移動や買物の利便性向上にも貢献していきます。

アイコン:LX
LX
KDDIとパートナーのアセットを掛け合わせ、事業をスケール化

宇宙

スペースXとのパートナリングを深化

イメージ:衛星通信の提供拡大

KDDI BUSINESSの成長にも貢献

パートナリングによるスケール化

ローソンのアセットも活用し、事業成長を促進

エンタメ

電子チケットPFと
エンタメサービス連携

livepocket×LAWSON, Pontaパス

取り扱いイベント・送客拡大

モビリティ

クイックコマース
配車サービス拠点

menu, mobi×ローソン店舗

地域の移動/買物を便利に

  • LX: Life Transformation

経営基盤強化の取組み

カーボンニュートラルについては、脱炭素社会の実現を加速させるため、2040年度末までにネットゼロ達成を目指す4つの環境目標を策定し、グループ全体で取り組んでいます。この目標達成に向けて、auリニューアブルエナジーが提供する太陽光発電の利用などにより、Scope1およびScope2の削減を進めています。また、取引先との対話を通じてScope3の削減にも取り組んでいます。
2025年度に高輪の新オフィスに本社を移転します。KDDIグループ社員同士、また社外のパートナーとともに働ける環境や、働く時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するための多様な施策を整備し、新たなアイデアを共創する風土を作り、人財ファースト企業への変革を推進します。

経営基盤強化
新サテライトグロース戦略を支える経営基盤を一層強化

カーボンニュートラルの実現

Scope3含むネットゼロ目標を新設
実現に向け、各取組みを加速

  • 2025年度
    (2026年度から前倒し)

    DC 実質再エネ
    100%

  • 新設 2030年度

    追加性再エネ
    50%(注2)

  • 2030年度
    (2050年度から前倒し)

    KDDIグループ
    CN(注3)

  • 新設 2040年度

    KDDIグループ
    ネットゼロ(注4)

人財ファースト企業への変革

2025年度、新オフィスに移転
働き方改革と成長支援を強化し、共創を推進

イメージ:人財ファースト企業への変革
  1. 注2)単体ベース
  2. 注3)連結ベースScope1 + Scope2のCO2排出量実質ゼロ
  3. 注4)連結ベース。Scope1 + Scope2 + Scope3

(参照)脱炭素社会

コスト効率化については、技術関連では、5Gエリア構築を加速する中、インフラシェアリング推進や先進技術活用を進め、投資水準の適切なコントロールをしてまいります。また、営業体制の変革、販売チャネルの効率化にも取組み、中期1,000億円規模のコスト効率化を目指します。
キャッシュアロケーションは、成長投資による営業CF拡大と株主還元の両立を図ります。金融を除く営業CFは、25.3-26.3期の2年間で3兆円規模を目指し、生み出した営業CFを設備投資1.3兆円規模と戦略的事業投資2,000億円規模(注5)に配分します。
株主還元については持続的増配と配当性向40%超を目指します。あわせて、機動的な自己株式取得を実施します。

キャッシュアロケーション方針(25.3-26.3期)
成長投資による営業CFの拡大と株主還元の両立を図る
イメージ:キャッシュアロケーション方針(25.3-26.3期)
  1. 注5)株式会社ローソンに対する公開買付けおよびスクイーズアウトに係る取引は含まない

中期経営戦略サマリー

サマリー
KDDI VISION2030に
向けて
  • 「つなぐチカラの進化」と「デジタルデータ×AIによる新たな価値創出」にこだわる
  • 技術構造改革により、投資とコスト水準のバランス適正化を推進
中期経営戦略見直し
新サテライトグロース戦略
  • 期間を1年延長。EPSは26.3期に19.3期対比1.5倍を目指す
  • サテライトグロース戦略を推進し、事業成長と企業価値の最大化を目指す
  • ARPU収入の持続的成長と注力領域の営業利益二桁成長
連結業績
  • 26.3期は、EPS目標達成に向け、各セグメントの利益成長を目指す

    パーソナルセグメント
    :お客さまの期待を超える価値創造に挑戦、LTVを向上
    ビジネスセグメント
    :強固な通信を基盤にグロース領域へリソースシフト
株主還元
  • 26.3期DPSは7.5円増の80円。24期連続DPS成長を目指す
  • 総額4,000億円(上限)の自己株式取得
    うち3,500億円(上限)の自己株式公開買付けを決議
OSZAR »